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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第16章 金色の奇跡

「・・・ね、ゼロス」
「・・・はい、リナさん」
「・・・あたし、外に出たい」
ぽつりと、でも最後の賭けとしての訴え。あたしの体を包むように抱きしめていたゼロスが、動揺の色を見せた。
「・・・分かってましたよ」
「・・・え?」
泣きそうな、彼の声。
辛そうに、切なそうに愛おしそうに。それでも、あたしを離したくないと伝えられているように、優しく、甘く。そんな、様々な感情が入り混じった声音。
「・・・リナさんにとって、こんな僕の自分勝手な決断は悲しませるだけだと」
あたしの体に自身の体を預けたまま、冷たい、体温がない手をあたしの頬に添えた。
「・・・でも、そうでもしないと、不安で」
「・・・」
「・・・あなたを、解放して差し上げます」
「・・・え?」
「馬鹿ですよね。散々あなたを奪って閉じ込めておいて解放する、なんて」
力なく笑いながら、あたしを更にきつく掻き抱いた。ふわふわなあたしの髪に指を絡ませ、優しく撫でている。
「くすぐっ、たいよ」
「・・・その、不死の契約。実は、してないんですよ」
「え?」

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