SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第6章 月酔ールナトリップ-
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「・・・リナさんっ」
無言で、ちらほら雪が舞う中を只管歩く少女の背中を追いながら、ゼロスはそう呼び掛けた。
ピタリと、止まる少女。
ふわりと舞っている雪が、少女の肩に積もってはすうっと溶け消える。
「あの・・・すいませんでした」
謝罪の言葉を口にするも、リナはまだ黙ったまま振り向かない。
俯いたまま立ち止まる少女の顔は伺えず、青年は不安になる。
・・・手を静かに伸ばし、肩に触れようとする。
でも何故か触れられなくて、そのては空中を遊んだ。
「あの時、嫌だったんです。
見ず知らずの男が、リナさんの肩に手を回して酒場を出ようとするのを、見ているのが」
血が、煮えたぎる。
人間ならばそう表現するだろうと、ゼロスは思う。
苛立ちが頭を占め、少女は自分のみものだと。無いはずの心が叫んでいる気さえした。
「貴女は、僕の恋人でしょう?
どうして、と。・・・苦しくて、滅ぶかとまで思いました」
少女が、自分を離れ誰かと一緒になる。それはつまり、少女の存在が他の所有物になると言うこと。
それが、とてつもなく怖かった。
「でも、それは僕の早とちりで・・・リナさんを、泣かせてしまった」
泣かせたいわけじゃ無い。
彼女は、笑顔が似合う。ひまわりの様な、どんな闇にも臆しない・・・どんな闇すら、虜にする様な。
そんな眩しい笑顔が、ゼロスは好きだった。
魔に属する者なのに、光に属する者の、輝きが。愛しくて恋しくて。
「貴女を傷付けた。
本当にすいませんでした。どうか、どうか許して頂けませんか?
・・・リナさん、声が聞きたいんです。お願いします・・・っ」
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