SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第6章 月酔ールナトリップ-
魔族らしからぬ弱さと謝罪に、リナは呆れたため息をついて。
どけしいいいっ。
相も変わらず女々しい態度を取るゼロスに一発飛び蹴りをかました。
「げっふっっ!?
な、なんで蹴るんですか!」
「うるさいっ、女々しいったら!!
いーーい!?あたしが怒ってんのはね!あんたが六ヶ月もあたしを放ったらかしにした挙句に、現れたと思いきや浮気だ色目だ言うだけで長い期間会いに来なかったことに対する謝罪がなかったからよ!!!
普通まずは【遅くなってすいません】でしょーがっ!!挙句にあんなところでキスするしっ!!なんなのよ、あんたはっ!?わかったらまずあたしが一番言って欲しいことをいーなさいっ!」
あまりに早口にまくし立てる少女に、呆れ笑いを浮かべる。まったく、人間でありながら魔族である青年を恐るどころか、強気にそう言ってくれる。
それが青年が惹かれる【リナ=インバース】。いつもの少女に愛おしさが湧き上がり、ふわりと微かに寒さで震える華奢な身体を、自らのマントに納め宝物を抱きしめる様に少女を青年は腕に閉じ込め、耳に甘く、切ない色を含ませ囁いた。
「長い間、待たせてしまって本当にすいませんでした。愛しています、リナさんを。リナさんだけを。
心配かけてしまった様ですね。待っていて下さって本当に有難うございます」
「・・・ばか。大ばかゼロス。
あたしは、待たされるのは嫌いじゃないの。
【全く、あのスットコ神官は一体今回はいつ来るんだか】って、考えながら待つのは嫌いどころか、大好きなのよ?
だから、本当は怒ってなんかない。あたしこそ、変に意地はって怒鳴り散らしたりして、ごめんなさい」
笑って、リナもゼロスに腕を回した。
それに驚いたゼロスだったが、嬉しそうに目を細める。
「ただ、一言あるでしょっ。あたしだって、心配はしてんのよ。あんたがあたしに飽きちゃったんじゃないか、って」
「あり得ませんよ。貴女に飽きるなんて」
柔らかい笑顔で、少女の前髪を掻き上げ、ちゅっと唇を寄せる。
「貴女に恋をして。魔族としての誇りや立場。全てを手放してでも貴女を愛すると誓ったんですから」
「あたしも。魔族を恋人にするなんて、人間の道を外すことになるし、下手すれば人間どころか神族すら敵に回すかもしれない。
でも、それでもゼロスが好きなの。ゼロスだから好きなのよ?」
「はい、リナさん」
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