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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第9章 初恋はイチゴ味?





「ち、ちょっと、大丈夫?」
「はう、リナさん、鈍すぎますよ・・・そう来ましたか」

打ち付けた箇所を器用にも赤くしてそれを右手で痛そうに抑えながらよろよろと起き上がるゼロス。まったく、芸が細かいんだからっ。

「鈍いって失礼ねっ」
「だって、本当のことですから。
ここまで言っても勘付かれないなら、相当ですよ」

じりじりと攻め寄って来るゼロスに、無駄な抵抗とわかっても、後ずさった。でも、狭いベットだから、あっという間に壁に背中が当たる。
ーーーやばいっ。逃げられない。
とん、とゼロスの両腕であたしはさらに逃げ出せない体勢になってしまう。しかも、珍しく覗かせた双方のアメジストに射抜かれる様に見つめられ身体が硬直してしまう。
だんだんと近付くゼロスの端正な顔に、あたしは反射的に目を閉じてしまった。
それがいけなかった。
クスクスとからかう様な笑い声に、頬にかかるムカつくほどまっすぐなゼロスの髪の毛。
耳に唇を寄せられ、耳たぶをぺろっと舐めーーー・・・なめたっ!?

「ぎっ・・・むぐ」
「しー、リナさん。アメリアさんたちにこの状況見られてしまいますよ?」

相変わらず楽しそうな魔族に、あたしは改めて今の状況を再確認する。
壁に追いやられ、両手で閉じ込められているあたしと、舐められて光るあたしの耳たぶ。
もちろんこんな状況に慣れないあたしは顔が真っ赤で目は・・・
咄嗟にベットの足元側の壁にある鏡に目を向けると、あたしの自慢の紅玉の瞳は弱々しくうるんでいた。
・・・間違いなくやばい!


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