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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第9章 初恋はイチゴ味?






「ほら、ここにどうぞ♪」

ゼロスはベットに深く座り、膝に座る様に促す。そ、そんな体勢でするのっ!?

「足を開いて、僕の両足にまたがる様に・・・あ。もちろん向き合って、ですよ♪」
「い、いちいち説明いらんっ!」

戸惑いながら、ベットに上がり、足を伸ばして座るゼロスの両足を跨いで、膝立ちする。

「もう少し腰を下ろして・・・視線をできる限り近づける様に、そう、お利口さんですね♪」
「だからっ、ややこしい説明いら・・・ひゃっ」

あたしの腰に手を回したゼロスはあろうことかあたしをぐいと自らに引き寄せた。
当たり前だけど、バランスを崩したあたしはゼロスの身体に身を預けるような形になった。
うわああああ、近い!近すぎ!
人間とは違う、心音のまったくしない体。でも、それがなおさらゼロスが魔族で、本来なら恋愛感情なんかない存在なのに、あたしのことを好きだと、初恋の相手だと伝えてくれていると言う事実に、気恥ずかしさとくすぐったさを感じてしまう。

「それじゃ、イチゴ食べられないです。肩に手を置いてください」

言われたままに、あたしはゼロスの両肩に手を置き、視線を低くする。少し、低い場所にあるゼロスの顔。滅多にない身長差。

「はい、いつでもどうぞv」

早く、終わらせちゃえば良いのよ。パッ、て離れれば、問題ないのよ・・・ね?
そうよ、そう。
これはキスじゃない。口移しなんだから。
イチゴをくわえなおし、ゆっくりとゼロスへと顔を近づかせる。
どくん、どくん。
聞こえるはずのない心音が、聞こえた気が、した。



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