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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第10章 《R-18》金色の鎖

「これを、つけて欲しいんです」
「はっ?」

ゼロスが差し出してきたのは金色の輪っか。ブレスレット・・・よね、どう見ても。精巧に作り込まれている金細工のそれは、一目で値打ちものだとわかる。

「なによ、なに企んで」
「まあ、着けてみればわかりますよ」

訝りながらもあたしはそのブレスレットを受け取り、右手にはめてみる。なぜか冷たさも温かさも感じない金具があたしの腕に巻き付く。・・・巻き付く?

しゅんしゅんしゅん。
そのブレスレットは徐々に伸び始め、あたしの体の自由を奪っていく。しなやかな金具らしからぬ動きのーー言うなれば植物のように伸びる金色のツタは、あっという間にあたしの手を一まとめに縛り上げ、しゅるんと伸びたツタが折れた柱に絡みつき、あたしをそこに固定してしまう。右足に巻き付いた金細工のツタが、隣の柱に絡み、あたしの右足はぐいと上へ持ち上げられる体制になる。
って。

「っ、いた。なに、これっ!!」
「良い格好ですよ、リナさん。
それで、話は、ですね。


僕と、不死の契約をしていただきます。もちろん、拒否権はありません」
「は・・・?冗談でしょ・・・?」

表情が強張る。
なんで・・・今更そんな不死の契約なんて。
ゼロスは困ったように笑いながら言う。

「冗談じゃないですよ。
それで、いかがなさいますか?」
「却下」
「ですよねぇ。
なら、代わりにこちらの条件を飲んでいただきます」

あっけなく引いたゼロスにあたしは目をぱちくりする。代わりの条件あんなら、こんなマネすんじゃないわよ・・・
なんだか毒気を抜かれて、あたしはジト目でゼロスを睨みつける。

「代わりの条件?」
「そうです。まあ、そちらが本命の提案なんですが♪」

つまり不死の契約はどーでもよかった、と。くそ、緊張感返せっ。


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