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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を


温厚な、特に女子供には何があっても怒りを露わにしなかった彼が、一喝する。
びくり、と女は肩を竦めたが、くすりと。少女にだけ分かる様に浮かべた薄ら笑い。
怒り。憎しみ。でも、反対に顔馴染みだからこその、二人の幸せを祈る自分。
ーー早く、立ち去りたい・・・

ごめんなさい?

そんな、上辺だけの謝罪なんて。
嫌味?本当は彼から身を引くあたしを嘲笑っているくせに。
知ってるんだから・・・【あの時】だって・・・・・・本当は、狙っていたくせに。彼を、あたしから奪う・・・そんな絶好のタイミングを。

「・・・リナ、もう、俺は・・・」

うるさい。


「シルフィールを、支えなければいけない。俺のせいで、こいつは・・・」



・・・うるさい。うるさい!!


「だけど・・・お前さんと離れても・・・俺はずっと保護者・・・」

その言葉で、あたしの中の何かが弾け飛んだ。

「保護者?
ならあんたは、あたしを保護者として見ていたの?
・・・保護者のくせに、あたしを抱いていたの!?
恋人としてじゃなくて?!」

最低なセリフだと・・・思う。
でも、限界だった。言わずにはいられなかった。
あたしは、彼は恋人だと思って接していた。
なのに・・・彼は【保護者】と言った。

「俺は・・・俺だって・・・!!」
「なら、今すぐあたしを抱いて。
あたしを、恋人として見ていたのなら。
彼女を離して、あたしだけを求めて。見て」

「・・・それは・・・できない」

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