SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を
あまりの弱々しい少女に、闇に属する青年は苛立ちを覚えた。
ーーリナと、ガウリイが恋人という関係になったあの日から、ゼロスは自らに芽生えた感情を。
リナを愛しいと思う感情を隠して接して来た。
昔なら、奪えばいいと思っただろう。だけど、彼女が悲しむのを、見たくはなかった。
ーリナさんが、弱っていると言うのに・・・ガウリイさんはなにを・・・
憎い。彼女のそばに、常にいることが出来るであろう青年が。それなのに、こんなに弱るまで放っておく、青年が。
自分なら、こんな思いはさせないのに。
「悪夢・・・どのような?」
聞いてはいけないと思った。
だけど、聞かないと・・・彼女が弱っている理由を知ることが出来ないから。
「・・・ガウリイ。
ガウリイがねぇ・・・あたしの夢に出るの。旅をしていた時の、会話とか。幸せだった。」
うたを歌うかのように、少女は本当に幸せそうに空へと言葉を連ねる。
・・・しかし、それは一瞬だった。表情を固くし、しばらく黙っていたが、たどたどしくさらに言葉を紡ぐ。
漂うのは、負の感情。
ゼロスは取り込む気にはなれず、身体全体でそれを拒絶し、遮断する。
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