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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

1.3 むすびつき

ーーあたしを、抱いて。

少女のセリフに、青年は固まった。
あり得ない、彼女に限って、そんな・・・・・・

「本気、ですか」
「・・・本気、よ。
あたし、もう怖い夢はイヤなの。
きっと・・・あんたに抱かれたら、見ない気がする・・・の」

そう言い、顔を赤らめうつむく彼女を見て、理性が飛んだ。
彼女を優しくマントでくるみ、空間を渡る。そして二人、ベッドへと沈む。



彼女はやはり、初めてではないらしかった。でも、恥ずかしそうに瞳を伏せ、それでも強くむすびつきを求める彼女は、女神と間違うほど、美しかった。
何度も交わり、5回目の行為で疲れ果てた彼女は、今までは悪夢に虐げられていただろう、睡眠をようやく手にしたようだ。
幸せそうに微笑み、時折自分の名を呼ぶ。・・・まったく、無防備にもほどがあります。
でも、確実に今、彼女の夢を占めているのは自分。自称保護者の、最低な青年でも、ましてや、彼女の幸せを奪い、悪夢の中でまで苦しめる女でもなく。

「愛してます。貴女が他の男を想っても。ずっとずっと貴女だけを・・・愛しています」



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