SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を
このまま向き合っても、また青年に迷惑をかけてしまうから。
だからこその答えだった。
でもーーー
「あたし、ゼロスがいなくなるのが怖い・・・」
かたかたと小さく震えて、いつも強気で前向きな少女は、不安、恐怖をにじませ、そうポツリと言葉を落とした。
「わがままだってわかってる。でも、眠る時、誰かがそばにいる安心感がないと・・・眠れないの」
ーーーもう、忘れそうになっていたあの悪夢。でもきっと、またゼロスがいなくなってしまったら、あの夢を見るだろう。
「・・・もう少し、時間がかかりそうなの。
・・・・・・待って、くれる?」
少女の申し訳なさそうな問いかけに、青年は苦笑した。
やはり、自分はまだ、あの青年には勝てないのか。そう思うと、苛立ちも募る。
少女の手を離し、他の女とともに歩むことを選んでもなお、少女に選ばれる彼が、ひどく羨ましいし、憎い。
でも、待って、と言われて待たない訳にはいかない。
そんなもの、愚問である。
少女を悲しませたくない。笑っていて欲しい。
だからこそ自分はそばで支えることを選んだのだ。
「わかりました。待ちますよ・・・いつまでも。貴女が、僕を見つめてくださるまで。」
「・・・ありがとう。これは、その・・・お礼っ」
少女は青年の服を掴むとか細い腕て青年を引き寄せ、その唇に自分の唇を合わせる。
・・・してしまった後に、恥ずかしさがこみ上げ、顔から火が出る勢いで赤らむ。目を潤ませ、ぷい、と顔をそらした。
「い、いやならごめんっ。へ、返品不可だからっ」
「・・・っ、貴女という人は・・・っ!」
「え・・・今日はもうしないんじゃ・・・」
「貴女が僕を煽るからでしょう。責任はきっちり取っていただきますからーーー」
青年に、草むらに押し倒され、外だということも気にせずに、また少女と青年は甘い快楽に流されてーーー来付けば夜だった。
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