SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ
第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を
(こ、こんなんじゃいけない・・・)
乱れた衣服を直しながら、リナは思った。
確かに、ゼロスに抱かれている間は幸せだし、気持ちいいからとても好きだ。でも。最初は悪夢を忘れるためだけにしていたのに、今では朝も、昼も、夜も。構わず欲しいと思うその時にしているようなものだ。
(だ、だって。あたしだって、スルのは嫌いじゃないし、むしろ何回も誘ったけど。・・・ゼロスは、いやじゃないのかなぁ)
衣服を直しながら、焚き火を起こす青年を盗み見する。
綺麗な顔に、落ち着いた雰囲気。しなやかな、品がある振る舞い。
魔族だと、知らない人間なら絶対好きになるだろう。
リナが、ゼロスの思いに答えない理由は他にもある。
確かに、彼を忘れられないというのが大々的な理由だけど。
・・・まだ、心の何処かでゼロスを疑っている。信頼していないわけじゃないし、自分を好きだと、愛していると伝える声も、表情も、瞳も、嘘偽りない、と誰が見てもわかる。
でも・・・だからこそ、裏切られたら・・・と思うと、怖くて仕方が無い。
もう、ゼロスがいないと。
自分は、夜・・・眠れないのだから。
「リナさん、食事はどうしますか」
「あ・・・ん、さっきの街で買って来たパンと干し肉もあるし。木の実とか、道の途中で拾えたから・・・それでいいかな」
バックをあさり、森の中で集めたナッツやくだもの、そして干し肉とパンを取り出す。
それを、大きめの葉っぱに乗せる。
切り株に座り、相変わらずにこにこ顏で器用に果物の皮を向くゼロスを、リナは楽しそうに見ていた。
「?どうしました?」
「あ、ごめん。ゼロス、本当は器用なのね」
少女が言うと、心外だ、という顔をして、ゼロスはリナを見た。
リナは小さく笑い、昔旅先で立ち寄った塔でのゼロスを思い出した。
黄金竜も一口で倒す、秘伝の子羊のカオス風味マンドラドラ添え。
・・・あの、異臭は忘れられない。
.
乱れた衣服を直しながら、リナは思った。
確かに、ゼロスに抱かれている間は幸せだし、気持ちいいからとても好きだ。でも。最初は悪夢を忘れるためだけにしていたのに、今では朝も、昼も、夜も。構わず欲しいと思うその時にしているようなものだ。
(だ、だって。あたしだって、スルのは嫌いじゃないし、むしろ何回も誘ったけど。・・・ゼロスは、いやじゃないのかなぁ)
衣服を直しながら、焚き火を起こす青年を盗み見する。
綺麗な顔に、落ち着いた雰囲気。しなやかな、品がある振る舞い。
魔族だと、知らない人間なら絶対好きになるだろう。
リナが、ゼロスの思いに答えない理由は他にもある。
確かに、彼を忘れられないというのが大々的な理由だけど。
・・・まだ、心の何処かでゼロスを疑っている。信頼していないわけじゃないし、自分を好きだと、愛していると伝える声も、表情も、瞳も、嘘偽りない、と誰が見てもわかる。
でも・・・だからこそ、裏切られたら・・・と思うと、怖くて仕方が無い。
もう、ゼロスがいないと。
自分は、夜・・・眠れないのだから。
「リナさん、食事はどうしますか」
「あ・・・ん、さっきの街で買って来たパンと干し肉もあるし。木の実とか、道の途中で拾えたから・・・それでいいかな」
バックをあさり、森の中で集めたナッツやくだもの、そして干し肉とパンを取り出す。
それを、大きめの葉っぱに乗せる。
切り株に座り、相変わらずにこにこ顏で器用に果物の皮を向くゼロスを、リナは楽しそうに見ていた。
「?どうしました?」
「あ、ごめん。ゼロス、本当は器用なのね」
少女が言うと、心外だ、という顔をして、ゼロスはリナを見た。
リナは小さく笑い、昔旅先で立ち寄った塔でのゼロスを思い出した。
黄金竜も一口で倒す、秘伝の子羊のカオス風味マンドラドラ添え。
・・・あの、異臭は忘れられない。
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