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SYらぶらぶ集〜X❤︎L〜ゼロリナ

第11章 悲しみに捧ぐリコリスの花束を

「ああ、あの時ですか。実は皮むきは得意なんですよ。でも、料理は滅法だめで・・・」
「だめ、を通り越してるよ・・・」

果物も綺麗に剥き終わり、ようやく食事に取り掛かる。
昔話に花を咲かせ、出会った頃や、
別れまで。そしてまた、再会するまでの話を。
でも、少女が自称保護者の彼と、黒髪の彼女について語ることは、一切なかったーーーー

****

流石に疲れていたのか、リナは昔話をしたまま、流れるように意識を手放し、珍しくなにもせず眠った。
ゼロスは感触がすっかり気に入ってしまった少女の髪を、優しく優しく撫でていた。
少女の寝顔はあどけなく、とても愛らしい。ゼロスはこの可愛くて可愛らしい少女を独占しているという嬉しさと幸せから、誰の、少女の前ですら見せたことがないほど破顔させる。

「ん・・・」
「本当に、かわいいです♪」
「ん・・・・・・




がう、りい・・・・・・」


世界が、静止した。


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