「俺は、男だ!クソ野郎」
第4章 調子乗んなっ!
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………。
帰っている途中、俺たちは、
まだ一言も喋っていない。
この沈黙した空気が一番
怖い。
やっぱり…もしかしてさ、
随分待たせたのを怒っているとか?
あー、大悟を敵に回すのと
気まずくなるのは避けたい。
てか、嫌だな。
「だ、大悟…その、長く待たせて悪かったな…。あと、助けてくれてさんきゅ」
俺は、小声で、
大悟に聞こえるくらいの声で言った。
まぁ、助けてもらったし、
礼をいうのは、普通だろ…。
そう思っていたら、
すると、前を歩いていた大悟が
いきなり立ち止まり、俺を見て
は?といった顔をする。
「どうも。てか、別にそれで怒ってないから…(まぁ、岬があの野郎にキスされたことに腹立っているだけ)」
「そ、そうなのか?」
じゃあ、あれは
何で怒ってたんだ?
疑問が生まれる。
あ、それとも怒って見えただけだったり?
なんだ!
俺の勘違いだというわけか!
少し気持ちが晴れたとき、
「でも、1つ」
安心したのもつかの間、
また妖しげな笑みを浮かべながら
大悟はそう言った。
な、なんか嫌な予感…。
「俺との約束破ったよね…?」
悪魔降臨。
今、まさに一番その言葉が
思い浮かんだ。
つか、
「え…?やくそく?」
俺は、キョトンとなる。
そ、そんなのしたか?
覚えていなく、頭上には、
ハテナマークがいっぱいだった。