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「俺は、男だ!クソ野郎」

第6章 何で俺…女装してんの。







「名前呼びしちゃった。ねぇ…ドキッとした?」



「いや、ゾクッてきた」


おかげで鳥肌が治まらない。



「もーつれないな。そんな即答しなくてもさ。でもそういう所も可愛んだよね」



そう言いながら、クスッと笑う。




何かよくわからないけど…

救いようのない人だ。





「とりあえず、服着て下さい」


今もまだ裸の翼先輩に言う。



ほどよくついた腹筋が

さっきから目にチラついて、



その体格そのものが

俺をバカにしているようにしか見えないし

なんか、物凄く不愉快極まりない。



二文字で答えるとすると『いや』。





「もうそんな見られると、俺欲情しちゃうよ?」



翼先輩は、ニヤニヤしながら

そんなことを言う。



下半身部分は、運良く布団で隠れて助かるが、

その姿勢で俺に近づいて来るのはやめてほしい。




「と、とにかく離れてくれ」


戸惑いながらもそう言ったが

お構いなしに顔を寄せてくる。



目の前、数センチに詰まる距離。



プツンー

俺の中の何かが切れた音がした。






「人の話を……聞けぇ!!」



俺は、苛立ちを募らせた余り

その端整な顔を思いっきりグーで殴った。





「ってぇ!」


その途端に翼先輩の悲痛にもそう叫び、咄嗟に自分の頬を

手で覆っていた。






「早く服着て、俺をここに呼んだ用件を吐け、クソ」



とうとう、頭に血がのぼったのか

怒り口調になった。



明らかにこれは、コイツが

悪い。








そのあと、やっと理解した先輩は、

しぶしぶ服を着て、






俺をベットの上に座らせた。











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