「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「どーしたんですか…」
不機嫌気味にそう聞いた。
だって、さっきから先輩がバカみたいに
ピクリとも動かないんだもん。
そりゃあ、俺だって
嫌な気持ちになる。
てか、そろそろ両手でおさえつけるのやめてほしい。
じんじんしてきたし、いい加減
解放してくれ。
「ね、姫…一応聞くけど、保健の授業受けたことある?」
突然、固まった顔でそう俺に聞いてきた。
やっと、言葉を発したと思ったら質問かよ。
つか、保健の授業?
「もちろん、あるに決まってんだろ」
そんなの当たり前だ。
小学生だってやってるぜ。
だけど、まぁ俺は…
先生が何を言ってんのか理解できねぇんだよな…いまいち。
頭が悪い証拠でもあるが。
きっと、教え方にも問題があるんだろう。
でも何度か大悟に一日中耳を塞がれて授業した時もあったな…。
大悟の権力で先生には
怒られたりしなかったけど。
あー、懐かしいー。
ふと、昔の記憶に浸っていた。
「クスッ…姫がここまで無知だったとは想像もつかなかったよ」
またもや、笑い出す。
「は?んだよ、それ」
笑われたことに終始、腹が立った。
「コウノトリが運んでくるって誰に教わったの?(笑)」
何。その人をバカにしたような(笑)は。
余計に気に触るんですけど。
「親戚の兄ちゃんだけど…何か文句でも?」
反抗的な態度をとる。
ニヤニヤ笑うより、言いたいことがあったら
直接面と向かって言えや。
おっ。
今の俺さ…なんて男らしいんだ。
つい、自分に見とれてしまった。
「作り方もホストも何もかも知らないなんて、これは天然記念物だね」
「その例え方、気に食わない」
てか、何もかも知らないなんて
そんなことねぇのに相手に失礼過ぎんだろ、おい。
天然記念物って
そりゃないぜ。
保護動物かよ、俺は。
すると、空気が一転する。
「まぁ、それよりも俺ね…、姫をこんな間近で直視したら男としての下半身事情が物凄くヤバイんだよ?」
ねっ、わかる?と言って奴は
俺の太ももあたりに
膨らんだあるものを擦りつけた。