「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
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………。
挙げ句の果てに先生に
こっぴどく怒られた。
プリントを取るだけなのに
非常に時間が掛かり過ぎだとね。
こうなることは、
予感してた。
俺は、ため息を吐いて
自分の席に腰を下ろす。
「岬、こんな遅くまで何してた?」
すると、隣から威圧を放つ大悟が
めちゃくちゃ不機嫌なのが読み取れた。
「べ、別に何も。…ただ迷ってただけ」
無意識に目を合わさず
言ってしまった。
「ふぅ~ん。俺、怒るよ?」
「はっ、なぜ」
特に、大悟に迷惑かけること
してねぇのに。
あ、もしかして
サボってると勘違いしてたり…。
何か、大悟のことだから
あり得る。
つか、怒られるのは、
先生だけで十分。
二度目は、ゴメンだ。
「何もしてないはずなのに、どうして岬から、他の男の香水の匂いがするのかな?」
出た。
大悟の顔は笑顔だけど、
目が笑っていないパターン。
あと、人の匂い嗅ぐなし。
「だから、別に何ともないって。大悟の鼻がおかしいだけだ」
「バカなの?俺、何年岬と一緒にいると思ってんの。他の奴と岬の匂いくらい簡単に区別できる」
そう言って、
手をポキポキと鳴らしている。
あ…これなんか、まずいかも。
俺はそう察して、
前の席の金太郎に助けを求めようとするが……
あんにゃろう!!
寝てやがる。