「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
通りで大人しいと思ったら…。
こういう時に限って役に立たない。
ぐっすり寝ている金太郎の背中を
睨んだ。
そして、再度隣を見る。
「岬、今すぐ俺と机をくっつけろ」
「はははっ…」
意味がわからないが
断ったら断ったで後が怖そう。
授業中にも関わらず俺は、
笑うことしか出来なくて拒否権なしに
言う通り机を寄せた。
「そして、俺に体を向けろ」
はいはい、と言ってしぶしぶ
向けた。
すると、
ギュウー
「っ!?」
正面から抱き締められた。
ちょ、急に何!?
「おーい、そこ。人の授業でイチャつくなー」
先生の声に、クラスメイトの視線が
俺たちに集中する。
「先生、これは緊急事態なんです」
大悟は、そう言って皆に見せつけるよう
抱き締める力を強くした。