「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
【岬side】
んー……。
なんだろう…体が浮いてるような感じがする。
あっ…でも、
ものすごく温かい…。
俺は、不思議とばかり、
ゆっくり目を開けた。
「……っ!?」
えっ。
ちょっと待てーい。
驚きのあまり、体が
大袈裟にもビクッとなった。
何、この状況。
声を発したくても叫びたくても
全身に冷や汗が流れて感覚を麻痺させている。
確か、教室で
何かの目的のために力を蓄えようとして
寝ていたはずだ。
それなのに、なぜ
俺は、抱き締められている状態で
抱っこされているんだ?
この匂い…ぜってぇ
大悟…ってあれ?
だ・い・ご…!?
俺は、ハッと気がつく。
「顔見えてないけど、起きたみたいだね」
「っ!?」
なぜ分かる!?
いや、これは
多分なんかの罠かもしれない。
寝たふりだ、寝たふり…。
「ちゃんと起きよっか。
…岬ちゃん?」
顔が見えなくても
恐怖が伝わってくる。
つまり、まとめると…
俺は、どうやら
やらかしてしまったようだ。