「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
つか、そんなことより
呑気に考えてる場合じゃねぇッ!!
お、俺…俺さ…。
これからお仕置きというのを
されちまうんだろ…?
そう、つまり
命がかかってるのだ。
もう、大悟は俺の説得なんか耳に入れてくれないだろうし…。
黙って痛めつけられる前に、
「頼む、大悟。遺書くらいは書かせてくれ…」
俺の声は、徐々に弱々しくなる。
儚く願う。
あぁー、人って、
本当に命の危機が迫ると弱くなる生き物なんだな…。
と少し実感したが、
ふと、思った。
俺は人と違う。←
『But, my heart is strong』という英語で書かれたポスターを見て力を発揮した。
ちなみにこのポスターが貼られているのは、壁ではない…。
天井だ。
今、仰向けになっている俺しか見えないのだ。
ちなみにお母さんから聞いたんだが訳は
『しかし、俺の心は強い』
というものだ。
まさに、今の俺にピッタリな台詞じゃん。
いつも、朝起きたら
この英語が最初に映るせいか
結構俺は、かっこいい男に育ってきてるだなって思う。
まぁ、遺書には、
『大悟が犯人です。動機は、俺が素直じゃないからです』
的な軽い感じに書いてやる…。
インパクトある方が
男らしくていいだろう。
どうだ?
俺の頼みは、大魔王に伝わったか?
確認のため、
恐る恐る見上げた。
「…岬は、俺になにされると思ってんの?」
は?と間抜けな顔している。
予想にも、呆れた様子だった。