「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「別にケチつけるとかそんなんじゃないよ。ただ岬には、俺だけを見て欲しいだけ」
え?
「お前何言ってんの」
もう、
とっくに見てるだろうが。
目の前にいるんだし。
急に変なことをいう大悟に
疑問になる。
「まっ、どうせ、分からないようだから、少しずつわかっていけばいいよ。ゆっくり時間をかけて…ね?」
「はいはい。どうせ分からないですよーだ」
不貞腐れた返事を返す。
ゆっくり時間かけてって言われても
そんな面倒くさいこと俺は、引き受けないと思う。
「…で、本題に戻るけど」
「ん?」
大悟の顔が怪しく光る。
「俺達の仲に、隠し事はなしね」
にこ~っと笑ってる。
不自然過ぎて怖い。
しかも俺達の仲ってなんだよ、まじ。
てか、ぜってぇ
隠し事ってアレのことだよな…。
昼休み俺が戻るのが遅かったことと、香水の匂いのこと。
あのチャラ男(翼先輩)、キツい香水なんかつけてくんじゃねぇよ。
おかげでこのありさま。
もう、大悟は
こういうことに関してしつこいんだ。
「岬、黙っちゃってどうしたの?」
「べ、別に!てか、俺…隠し事なんか」
「言えないこと?」
「だから「もう黙って。少し痛いけど我慢してね」
言葉を遮り、
その声と共に俺の首筋に
チクッ
先ほどとは、断然違う痛みが生じた。
「ってぇー!!」
涙がでるくらい、痛くて悲痛のあまり叫ぶ。
なぜ、犬みたいに
噛むんだ!?
しかも、首に!!
「何すんだよ!バカ」
結構、マジいてぇ…。