「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「ちょっとした虫除けだよ」
「ふざけんな!こんな赤くなるまで噛みやがって…むしろお前が虫だ、虫!!」
「そんなに痛かったの?」
「いてーよ!!血が出てるだろ?」
「大げさな」
「大げさじゃねぇよ、マジだ!つか、なんで俺がこんなことされなきゃなんねぇんだよ」
ケンカ売ってんのか?
あぁ、買ってやろうじゃねーの。
売られたケンカは買うのがルール。
俺は、イライラと奮闘していた。
「じゃあ、“誰の香水”だったのか教えてごらん」
大悟は、さっきと言い方をかえて、聞いてきた。
…んだよ。んだよ。
なんで、全部、大悟に話さないといけないんだよ。
俺に黙秘権は存在しないのか?
もちろん、大悟が昔から
お母さんみたいな過保護さがあるのは知っている。
だがらと言って、そこまでして
する必要ねぇだろ…。
「…に」
「ん?なに」
「お前に…大悟に…
かんけーねぇだろ!!」
とうとう怒りが爆発した。
それと共に俺の声が部屋中に
振動が立つ錯覚のようなものが響いた。