「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「岬ちゃんっていうのね。可愛い名前!どうぞ、よろしく」
咲さんは、そう言って
俺の前に手を差し出す。
「あ、よろしくお願いします」
その手を握り、握手する。
「ねぇ、さっきから聞きたいことがあったんだけど、岬ちゃんってホントに男の子?…アレがついてるようには見えないけど」
納得していない顔をしながら、
俺に問う。
………え。
ちょ、今、なんて。
真剣な顔をした咲さんの口から
とんでもない一言が。
「俺もね、最初は女の子だと思ったけど、触ったらちゃんとアレはついてたよ。ちっちゃいけど」
「ちっちゃくないわ!」
翼先輩が軽々と俺の羞恥を晒す。
何勝手に言ってんだよ!
しかも女の人の前で
余計なことを!
男としてのプライドがぁぁ…。
「岬ちゃん、ちっちゃいのね!可愛いわ」
「や、やめてください…」
もう、恥ずかしさのあまり、
顔が真っ赤だろう。
すでに、目眩がしてるぜ。