「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
「岬ちゃん、誰からだったの?電話」
咲さんがそう言いながら、
オシャレな紙袋らしきものを持ってきた。
「あ、翼先輩からです。咲さん、今日はありがとうございました。そろそろ来るみたいなんで俺、行きますね」
実際は、もう家に帰りたいくらいだけど
しょうがない。
「そうなの?あ、でもちょっと待って」
咲さんは、『はいコレ』と言いながら
先程のオシャレな紙袋を
俺に渡す。
「何ですか?これ…」
「ショッパーよ!ショップ袋。まぁここは、美容院だけど、それ私の持参。これに脱いだ荷物とか入れてね」
っ!
な、なんて
気が利く人なんだ!
俺、今
気遣いに感動している。
日本人最高。
つっても、
俺もジャパニーズだけどね。
えへへ←
「あ、ありがとうございます!!」
そう礼を言って
荷物をそのショッパーというやつに詰める。
咲さん、まじ女神。
絶対、彼氏いるよな…。
美人さんだもの。
はぁ。
遠い存在だし、
どう見ても俺とじゃ不釣り合いだな…。
嬉しくなったり、
落ち込んだり、
俺のテンションの差が
おかしくなっていた。