「俺は、男だ!クソ野郎」
第6章 何で俺…女装してんの。
とにかく、
抱き着いてる腕を振りほどく。
「うぜぇ。てか、さっきから気になってたんだけど、お前のその格好なに?」
今さらだけど聞いてみた。
「え、なになに?俺に興味津々って感じ?気になるの?知りたい?」
「そこまで言うなら知りたくもない。」
ムカついたので聞くのをやめる。
「仕方ないな」
「結局言うのかよ」
もう、こいつの性格苦手だ。
はぁ、とため息を吐いてると
「まぁ、詳しくは店の中で。さぁ、店へどうぞ!!ご案内します~」
とそう言われて
俺は、目の前に
キラキラ豪華に建っている建物の中へと
背中を押された。
そして無理矢理店内へ。
「そ、そんな押すなって!」
逃げはしないんだから。
転びそうになりながらも
店の中へ入って行く。
ここがイチゴケーキのある
ホストクラブという所か…。
到底、ありそうには見えないが、
反対に怪しすぎる匂いがぷんぷんしてくる。
なんか、
…大丈夫か?俺。
―――
――――
―――――
不安なまま
ホストクラブに入ると店内の入り口付近には、
目立つところに
翼先輩の写真が大きく飾られていた。
うわ。
なんか、やべな。
その横にも他の男の写真とか飾られてある。
…あれ?
俺は、ふと一つの写真の前で
立ち止まる。
「姫、どうかしたの?」
翼先輩は、急に足を止めた俺に
不思議そうに聞いてきた。
翼先輩の写真の横にある写真に写ってるのって…
淳兄…?
嫌な予感が
ゾワッとつま先から上がってくる。