「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
「あれ蒼野さんじゃないっすか。どうしたんですかー?」
翼先輩が戻ってきたのかと思ったが来たのは
超不機嫌気味の淳兄だった。
「いいから、お前消えろ」
淳兄は、サラッと睨みながら宇都宮さんに言い放つ。
多分どうやら、淳兄は、
俺が困っているのを見て
助けにやって来てくれたみたいだ。←いや違う
「え、消えろなんて蒼野さん、怖いっすよ。ちなみに今俺、田中ちゃんとお話し中だから」
宇都宮さんは、負けじと言い返す。
「田中…?」
淳兄は、は?と訳のわからない顔をしている。
あ、やばい。
俺、嘘ついて田中になったんだ。
「だから、そういうわけで邪魔しないでね」
宇都宮さんは、そう言いながら
俺の肩を抱き引っ付いてきた。
その途端、俺の鼻を刺激する。
うわ、香水きつ…。
ものすごく鼻を摘まみたい気持ちになった。
「そういや、田中ちゃんってここ来るの初めてだよね?俺、田中ちゃんならプライベートまで踏み込みたいよ」
宇都宮さんは、淳兄がいるのにも関わらず
俺に次々と話しかけてくる。
だけど俺は、
話の内容など頭に入ってこない。
それより、近いから離れろ…。
香水のきつい匂いに
俺は、魂の抜けたような気分だった。
「おい」
淳兄のオーラがより一層、殺気増した。