「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
「へー、なるほどね。それはわかった。」
俺の話を聞き終えた淳兄は、
先程の殺気が嘘のように消えていた。
それを見て、一息吐く。
「でも、許せないな」
「えっ?」
急にどうした?とツッコミたくなる俺。
「俺以外に気安く、そんな可愛い格好させやがって…。しかも野郎どもの視界に映して」
『罪状としたら十分だよ』と耳元で囁かれた。
おいおいおい。
これは、コメディーだろ?
そんな固いこと言うなよ。
そして
危ない雰囲気出すな。
「あ、あっ!そういえば、なんで淳兄はこんなとこで働いてんだよ?確か、前に聞いたときはモデルの仕事してるって言ってたじゃん」
俺は、慌てて話題を変える。
それが一番だと判断した。
そう、淳兄は、前に自慢気に言っていたのだ。
モデルの仕事してるって。
ホストクラブとかで働いてるのは、
初めて知ったぞ。
「あ?あぁ…ここで働いてんのは、岬と暮らすために資金を貯めてるんだよ」
「はっ?」
不覚にも間抜け面になった。
なにそれ、冗談としても怖いよ。
俺は、口をポカンと開けて唖然となる。
「モデルの仕事だけじゃ、全然足りないんだ。でも将来が楽しみだね」
「淳兄、怖えよ」
将来が楽しみだねって言われて
どう答えていいかわからない。
恐ろしくてたまらない。
「ごめんね。自分でもわかるくらい、病んでるんだ」
やんでる…?
あぁ、
「なんだ、病気か…。」
「いや、病気じゃないよ。ただ嫉妬深いだけ。まっ、岬には難しいよな」
淳兄は、軽く笑って
俺の頭を撫でる。