「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
正直言うと頭を撫でないで欲しい。
身長縮みそうで怖いから。
でも今は、撫でるなと言えない空気。
それにウィッグ取れないか心配だ。
「淳兄って凄いなー。よく女装しているのが俺だってわかったよな」
不思議に思っていたことを聞いてみた。
普通、こんな格好してメイクもしていたら
俺だってすぐに気づかないだろう。
淳兄の観察力にはお手上げだ。
「なに言ってんの。当たり前じゃん。隅々まで岬のことならわかるよ。もしかして俺をなめてんの?」
「うっ…」
久々に出た。
淳兄の俺様キャラ。
昔の爽やかだった兄ちゃんは、
一体何処へ行ったんだ。
目を細めながら懐かしの記憶を辿り、
あのころの面影を探していたが今じゃ
もう完全に消滅されていた。
つか、
また怒らせたとか言わないよな…。
ストレスでも溜まっているのか。
発散するなら
よそでやってくれ。
俺は、淳兄が口を開くまで
とりあえず黙った。
「岬さ、ホストクラブのことよくわからないで来ただろ?」
口を開いたと思ったらそんなことを聞いてきた。
「え?知ってるし」
あれだろ。
ケーキ屋さんをかっこく言った感じだろ?
まあ、最初は全然知らなかったけど
教えてもらったからわかって来たんだ。
ケーキが無きゃここに来てないよ。
「知ってるの?なんで。…もしかして男探し?飢えてんの?俺がいるのに?」
どうして?どうして?と質問攻めに合う。
苦笑いしかできない。
「いや、俺は、イチゴケーキが食べたくて…」
「ここにはそんなもの置いてないよ」
「はっ?」
目眩がした。
言語道断だ。
とんでもないことを言いやがる。
一瞬のうちに、俺の笑顔は消えていった。