「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
「う、うそだろ…?」
少し間を置いて、淳兄に問う。
もし仮に本当だったら俺、何しに来たんだよ…。
こんな格好してまで。
ふと、翼先輩が脳裏に浮かぶ。
“騙された”と思った。
…クソ。
絶対、陰で笑ってやがったな。
「嘘じゃないよ。…てことは、岬は、男を求めに来たんじゃなくてケーキを食べに来たんだね」
なぜか淳兄が笑顔を取り戻す。
腹立つ気力さえ失われた。
それほど、俺にとって
イチゴケーキは重要なことだったのだ。
「ははは…」
きっと口から魂が出てるだろうな…。
ケーキが無くちゃ意味ねぇよ。
結構…いや、かなり楽しみにしてたのに…。
深いため息を溢す。
その途端に淳兄が『あ』と声を漏らす。
「そういや。今日、珍しくイチゴが沢山のっているケーキが用意されてたな。あれ、岬のだったのか」
「え…?」
ちょ、待っ今なんて…っ!?
「普段はないのに、あったよ」
「それまじかよ!?なんだ…。あるならあると早く言えよな。俺、かなり落ち込んだんだぞ」
てことは、つまり。
どうやらイチゴケーキは、あるみたいだ。
ホッと安心した。
翼先輩、ちゃんと用意してくれたんだな。
さっき、殺してやろうと思ったけど
それまじ取り消すわ。
すまん!
急に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
いやぁ~、でもしっかし。
普段ケーキがないってどういうことだよ。
ここ、ホストクラブというとこはケーキ屋さんなんだろ?
ケーキ屋にケーキがないって笑えるぞ、おい。
ギャグセンス(笑)
軽く笑ってしまう。