「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
こうなったらしょうがない。
「センセー、黙秘権を使いたいと思いまーす」
もう降参ということで、
ハーイと手を上げて、淳兄を先生と呼んだ。
「はい、それ却下ー。残念でした」
淳兄は、恐ろしくも
そのひとことで上手く跳ね返してきた。
…マジかい。
俺の最後の手だと思ったのに。
ガクッと肩を下ろす。
これでも諦めてくれない淳兄に俺は
何の言葉も出ない。
せ、先生は生徒を否定しちゃダメなんだぞっ。
と、心の中で反撃しても意味無いが。
つか、淳兄は先生ちゃうし。
でも嫌がっている人に対して
不利なことを無理に聞いちゃいけないだろ。
そう呟く。
もちろん心の中で。←
あれこれ頭の中で
色々と駆け巡らかせていると
「あれ、岬。黙秘権って言葉知ってたんだ」
なんと淳兄は、
不思議そうに俺を見てきたのだった。
「あ、当たり前だろ!なにその人を馬鹿にした感じの言い様は。そ、そりゃあまぁ、高校受験の勉強で頑張ったからだよ」
そう俺の努力の結晶。
まっ実際、
黙秘権は、受験には出てこなかったけどな。
はははっ。
もう笑っちゃったよ。
大変だったあの頃を思い出す。
「はいはい。そんなことどうでもいいから」
淳兄は、そう言って話を片付ける。
ちょ、おい。
どうでもいいって……
淳兄が先に言ったことだろっ!
はぁ…今ので話の流れが
絶対変わったと思ったのに。
あーもう。
「これ以上聞くのなし、無理。」
俺は、むしゃくしゃしながら
キッパリと言った。