「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
そして手を交差させて
バツを作る。
でもなぜか淳兄は、怖いくらいの満面の笑みを
浮かべている。
もちろん、目は笑ってないが。
意図がまったくわからない。
俺は、それに対して、
はは…と力なく笑った。
「じゃあ、当ててやろうか?キスした相手……男だろ?」
「………えっ。」
俺は、淳兄の言葉に一瞬、思考回路が止まり
目が点になる。
……ウ、ソ。
『キスした相手……男だろ?』
脳裏で、もう一度リピートされる。
……なぜわかった!?
俺、何も言ってないぞっ!?
「なぜって思う?そりゃあ簡単だよ。女か男かって聞いた時、答えなかったから、あーこれは答えづらい“男”だなってね。岬は、妙にプライド高いよね。嘘はバレバレだけど」
「……」
俺は、何も言えなかった。
なんだよ…
そこまで考えてたのかよ!?
その時、俺はどうしてた。
あ、そっか。
センセー、黙秘権みたいなこと言ってたな。
あの時、嘘でも
普通に女って答えとけば良かったんだぁぁ…。
つまり、
失態を晒したということか…?
俺のあほばか。
穴があったら入りたい。
そして、ものすごく泣きたい。