「俺は、男だ!クソ野郎」
第7章 助けて大悟…
淳兄は、ククッと笑いながら
まがまがしい妖気を放っている。
やっぱり、閻魔大王だ…。
「もう…俺っ帰る。こっちにはただイチゴケーキ食べに来ただけだし…」
そう言って
とりあえず、退散することに決めた。
淳兄が怖すぎる。
…でも一方、
淳兄は、そう簡単に俺を逃がしてはくれなかった。
「は?食べに来ただけ?なにいってんの。ここは、岬みたいな子羊が来るとこじゃないんだよ。わかってる?もし俺がいなかったら食べられてるよ?」
低く押し殺した声で
淳兄が怒りをぶつけてきた。
俺の胸にまたも続く恐怖が走った。
…く、狂ってやがるっ。
そう思った同時に、
俺は、信じられないものでも
見ているかのように目を見開き、
二度三度、瞬きを繰り返した。
え…っ?
目の前の淳兄は、怒りのあまりか、
わなわなと身体を震わせていた。
…こりゃあ例えるなら般若だ。
淳兄は、凄まじい剣幕で話を続ける。
「…つっても俺がこれから美味しく食べちゃうけどね」
淳兄は、低い声で、
ありえないことを言う。
俺は、一瞬のうち、
何かの糸が切れたかのように
表情が歪んだ。