「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
「おはよう、岬」
俺の顔を覗きながら、ひとことあいさつする。
「あぁ、おはよ…。てか、何で大悟がいるんだ?」
なぜ?と言いながら首を傾ける。
そしたら、大悟は深いため息を溢す。
「はぁ寝ぼけるのもいい加減にしろよ。…昨日のこと覚えてないのか?」
「昨日…?」
俺は、まだ働いてない頭を動かせ、
昨日のことを思い出す。
昨日?
昨日って何してたっけ…
確か
…うっ!!
ガッと、昨日の記憶が甦ってきた。
そ、そうだ…。
俺は、大変重要なことを
忘れていたみたいだ。
思い出すと同時に
みるみると顔に熱が帯びていく。
てか、ここをよく見れば
俺の部屋じゃない。
道理で、起きたとき
天井に『But, my heart is strong』が書かれている
ポスターがないはずだ。←
しかも堂々と
ベッドの上で寝ちゃってたよ。
戸惑いと焦りを隠せない俺を見て、
満足そうな表情を浮かべる大悟。
「その様子だと思い出したみたいだね…顔真っ赤だし」
人の顔を伺ってクスッと笑う。
「~~っ」
昨日、俺にあんなことしといて
よくそんな平然のままでいられるな。
おかげで、こっちは…。
「っ」
ふいっと視線を逸らす。
目も合わせられねぇじゃねぇか…。