「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
逸らしたら、すぐに
ガッと顔を左右から掴まれる。
途端に大悟の口元がドアップで映し出された。
っ!!
き、昨日この口で俺のを…。
急に変なことを思い出し、
また、視線が合わすことができず
掴まれながらも目だけ
ふいっと
違うところに視線を向ける。
朝から心臓に悪いぞ…。
そんな俺の様子に怪訝の表情を浮かべる大悟。
「何で目。合わせないの?」
「な、なんでって…そりゃあ」
い、言えるかっ!!
「…あーよしよし。やっと俺を意識し始めたか」
途端に嬉しそうな顔をし、
最後、何て言ったか聞こえなかったが
なぜか頭を撫でられている。
「ちょっ、やめて」
俺は、大悟の手を退かそうと頭を振る。
まったく、髪がぐちゃぐちゃになんだろ…。
まぁ、すでに寝癖はあるが。
それでも大悟は、撫でるのを止めず
今もにこにことしていた。
もう俺は諦めて、布団から出た。
ん?
「な、なんだこれ…」
「なにって、それ俺のワイシャツ」
自慢げに大悟が答える。
えっ
ちょっと、待って。
なぜ俺は、
お前のワイシャツを着ている?
しかもムカつくことに
ワイシャツぶかぶかなんだが…。
袖から手が出てない。