「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
一体何を落ち込んでるんだ…。
理解不能だな。
「俺、つくづく可哀想だと思う」
口を開いた途端に大悟は、そう言う。
「急にどうした」
「あぁこれは逆に尊敬してほしいレベル。いや、もう…その域を超えてるな」
大悟は、うんうんと頷いて、
一人納得している。
うん。
見るからに変だ。
「だからどうした?」
把握できないし、
大悟がおかしくなった理由が知りたい。
だから俺は、大悟の顔を覗きながら聞いてみた。
それにすぐさま反撃するかのように
「他人事じゃねぇぞ、岬。昨日おあずけされてた上に、岬は、自分だけ気持ちよくなって寝るんだもん」
「は?」
「分かりやすく例えると、一匹の犬がいるとします。その犬の飼い主は、散歩もしてあげなければ、何のご褒美もあげません。まさにそうおあずけ状態、…どう思う?」
えっ。
例えでも、急に
飼い主と犬の話聞かされても
思うことはただあれだ。
「ひでぇ話だな。おあずけなんて」
どう思う?って言うから
俺は、素直な感想を述べた。
だって、どう見ても犬の立場が可哀想だ。
「まぁ、それ岬が言えたことじゃないけどね」
と、すぐに突っ込まれる。
ん?ということは、
俺がその飼い主と同じだって言いたいのか…?