「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
「俺、犬なんて飼ってないけど…。え?なに、それとも…今の悪口だったりする?!」
一瞬、ハッとなった。
本人の前で堂々と…っ。
いや、待て…それは違うよな。
だって、ちゃんと例え話って言ってたし。
俺、まずは落ち着け。
その直後に、大悟は呆れた顔になる。
「全く岬は…。悪口じゃないよ。…でもまぁ、おあずけされたけど岬のカラダ洗えたし」
「えっ」
俺は、耳を疑った。
…体を洗っただと?
「さすがにあのままだったらやばいでしょ」
俺は、クンクンと嗅ぐ。
道理で俺の体から
大悟と同じ匂いがすると思ったら…そういうことか。
「つ、つまり一緒にお風呂に入ったってことか…?」
「そうだよ。まぁ湯船に浸かってなんてことはできなかったけど、とりあえず岬だけは、じっくり隅から隅までキレイにしてあげたよ」
「ス、スミ、スミからって…スっ」
「なんでそんな動揺してんの?」
さっきまで別に男同士だからいいやと
軽く思っていたけど
隅々までって…しかも
「だだだって、そんな!!は、裸だし」
「何を今更ー…俺たちそういう仲じゃん」
大悟は、何かおかしいか?とでも言いたそうだった。
…た、確かに小さい頃とか一緒に毎日って言っていいほど
風呂に入ってた(いや、大悟が勝手に入ってきた)けど
俺の意識がないときによくそんなこと…。
変なことされた挙げ句、
体を隅々まで洗われるなんて
…なんと言う屈辱。
「俺、もう頭痛い」
そう、何も考えたくない。