「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
「なに昨日の媚薬まだ効いてんのか?」
「んっ!?いやいや!効いてないから!!大丈夫」
俺は、自分の体を守るように前で手を交差させる。
頭痛いって言っただけで
なんでそうなるだ…。
油断も隙もねぇ。
それに、
また何か変なことされたらひとたまりもない。
すると、大悟の様子が一変する。
「…ところで岬。俺に何か言うことない?」
「え?」
大悟の顔を見ると、
さっきまで見せていた笑顔がなくなり、
今から説教しますみたいな例の大悟の顔になっていた。
…俺、
大悟に言うことなんて、なんかあったっけ?
心当たりがない。
でも、なんかまずい気もする。
それよりも
今、なんだか
怒っているような顔をしている大悟の前では、
俺も少し真面目な顔を
したほうがいいんだろうか。
別に怒られるようなことをした覚えはないけど。
これから雷が落ちそうな雰囲気は漂っている。
「あ、あのさ…なんか怒ってるの?」
「いいや」
とても、いいや。という顔ではないと思うのだが、
つっこんで
さらに怖い顔をされても嫌なので、
そうかーと肯いて
ひとまず大悟の機嫌は横に置いておくとする。