「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
俺は、 うつむけてた顔を恐る恐る上げる。
「あーもう、調子狂うよね。…ほんと岬はずるいわ」
ため息を溢し、俺をずるいと言う。
もしかして、
反省していないように見えたのか?
「待って本当に、悪いと思ってるからっ!」
大悟の片手を手にとって両手で握る。
少しシュンとなった。
そして信じてくれ、握りながら目で訴えた。
…おかけで
あの時、大悟が帰ったあと
夜ぐっすり眠れなかった。
これからは発言に気をつけたいと思う。
だって、親しき仲にも礼儀ありだもんな。
「…あー、まったく。そういうのがずるいんだって…」
大悟は、少し頬の方を赤く染め、
俺が握ってる手ではない方のもう一方の手で
口元を軽く押さえていた。
「え?」
きっと俺は、間抜けな顔でもしているのだろう。
なに、そのずるいって…。
俺の必死さが伝わってないとか?
すると、大悟は、
息を吐いて口を開いた。
「謝るなら俺の方だよ。…だけど、岬は知ってるよね、俺がどれだけ独占欲強くて嫉妬深いこととか」
ギラッと目が光る。