「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
「何ですか?手ぇ離して」
全く、しつこいな。
「俺の話を聞いてく…がはっ!」
突然、翼先輩の悲痛の声を漏らし、
一瞬にして、手が解放された。
そう、翼先輩が
何者かによって飛ばされたから。
そして、
俺は、ふわっと誰かの胸の中におさまった。
落ち着くこの安心感…。
まさか…っ。
「岬、大丈夫か?セクハラをうけていたみたいだが」
やっぱり、大悟だった。
…って、俺
落ち着く安心感ってなに!?
「いてててて。おい、急に何すんだ!セ、セクハラだと!?」
翼先輩は、立ち上がり、
大悟を見るなり睨み付ける。
…大悟の蹴りは絶対痛いと思う。
前にドアを壊したからな。
「そう、セクシュアルハラスメント」
「いやそんなん聞いてないから!…ガハッ」
大悟のパンチが見事に
ストレートに翼先輩の顔面に食らった。
…あちゃ~…痛々しい。
「ってぇ!!急になぜお前も殴るんだよ。用意していたイチゴケーキは無くなるし、姫消えるし、淳さん怖いし殴られたし」
あの日の出来事を
ぶつぶつ何か言っている。