「俺は、男だ!クソ野郎」
第8章 ドキドキが止まらない。
「無理。姫ともっと関わる」
翼先輩は、すぐに断固拒否した。
そして、俺の横に来て腰に巻きついた。
「ちょ、翼先輩…何してるんですか」
半分呆れた状態で、翼先輩に問いかける。
暑苦しんだけど…。
「相変わらず、姫は細いね。どっか食べに行こうか」
「遠慮します。それと、いい加減姫って呼ぶと抱きつくのやめろ」
そう言ったのに、
やだ~とか言って
スリスリとされるのは、苦痛の他ない。
でもすぐに変な鈍い音と共に厄介者は、退いた。
…いや、退かされたと言った方がわかりやすい。
なぜって?
わかるだろ?
「しゃしゃるな、ボケ。人の話聞いてたか?近づくなつってんだよ」
そう、大悟だ。
先程よりもドスのきいた低い声で
黒い空気を放っている。