「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
「チッ」
「え!?まさかの挨拶それ!?」
朝からそんなテンションでエネルギー減らないのかと
歩くスピーカーこと金太郎に感心する。
「ねっ!岬ちゃん聞いてよ!」
「どうした?」
熱のこもった眼差しに
少しビビる。
「今日、一体何の日か知ってる?」
…きょ、今日?
「知らないけど、何かあるのか?」
そう言った途端、金太郎は、
ムッ頬っぺたを膨らませる。
「岬ちゃんたら!もう自分の彼氏の誕生日も覚えてないなんて!」
…は。
そういや、
昨日からヤケにうるさかったな。
なるほど、それが原因だったのか。
あと相変わらず、変なこと言うなよな。
それスルー決定。
「誕生日なの?」
「そうそう!(彼氏はやっと認めたか☆)」
なんだ、その目は。
わかった。言ってやるよ。
「まぁ、おめでとう」
俺だって、
ちゃんと祝ってやるんだ。
「え!?岬ちゃんの口から今っ!!」
「ハッピーバースデー」
発音いいだろ?
喜べ。
と、心の中で偉そうな態度をとっていた時。
「ズキュン」
金太郎は、最後にそう言い残して
バタンと音を立てて倒れやがった。
す、凄い音だったけど、大丈夫か…?
急に倒れるとか貧血だろ。
普段から、鼻血出すせいだぞ。
そう思ってるそばから
なんか、もうすでに鼻から鼻血出してるし。
すると、ガタンと
隣に座っていた大悟が立ち上がった。
「ちょ、だだだ大悟…し、下」
俺は、大悟の靴の方を指差す。
思いっきり、
金太郎のお腹踏んでるぞ。
「あ、これか?もちろん…
Happy birthday」
待って。
俺より発音良すぎじゃんっ!←