「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
プレゼントに、パンツ…?
正気なの?
もっと高いの言うと思ったけど
なぜパンツ。
「普通に自分で買えるだろ」
「いや、そうじゃなくて…その岬ちゃんが今はいてるやつとか貰えたらなって思ってさ」
は?
「俺が今・・・はいてるの?」
俺は首を傾げて金太郎を見た。
何を言ってるんだ。
すると、金太郎は
両手で顔を隠して
「ゴメン!岬ちゃん、そんな綺麗な目で俺を見ないでくれ!そんな澄んだ瞳で汚れた俺を見ないでくれー!俺が悪かった」
そう言うと
金太郎は教室の隅の方に移動し
体育座りで
膝を抱えて下を向いてしまった。
そして、
恒例のきのこを栽培し始めた。
おい農園じゃないぞ、そこは。
…いったい何がしたかったのだ?
謎だ。
大悟は軽蔑と同時に
哀れむ目で金太郎を見ていた。
まぁ、さすがに
パンツは冗談ってことだよな。
俺は、何かないかなって思いながら
ズボンのポケットに手を突っ込む。
すると、
棒つきキャンディーが二個出てきた。
…そういや、今日来る時に
近所のおばさんから貰ったっけ。
二個のキャンディーを見て、
金太郎の方を向いた。
あ、もうなんか可哀想だから
これあげよ。
いまだに教室の隅で、
きのこを栽培している金太郎の所まで行き
「これやる」
二個のキャンディーを差し出した。
「く、くれるの?」
「…不満?」
「いや満足!!!」
パアっと、
表情が明るくなった。
そして、キャンディーを受け取る。
さっきまでは、顔死にそうだったのに
全然印象が違う。
「もう岬ちゃん、大好き」
次は涙を流しながら
お花を栽培してやがる。
だから、
いろいろと栽培すんな。
ここ一応、教室だから。
…もう他人のふりしよっと。