「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
でも、もしものために
ここ数日間、
『好きな子の口説き方ベスト100』
という本を毎日欠かさず読んでいる。
もう、全て暗記したくらい。
…あぁ、悔しい。
生徒会の中で俺が先に目をつけたのに
会長の帝や書記の下半身野郎は、
もう岬ちゃんと関わりをもってる。
まあ、副会長の肇の場合は例外だけど。
通っている美容室で
彼氏持ち?の女の子(実は女装した岬)が気になってるとか
言ってたから安心だとは思うけど
そう、問題は奴らだ。
勝手に横取りしたら
許さねぇって言ったのに!!
帝は、自分が誰かに惚れるなんて
『そんなの世界が滅びるくらいありえないから』
とか言ってたんだ。
何だよ、それ。
今じゃ『アイツ面白いな。す、好きではないが下僕ぐらいにはしてやろう』
とか言ってる。
ふざけるな。
気づいてないみたいだけど
お前絶対好きだろ。
そして、下半身野郎(翼)は、
鬼ごっこの時に
岬ちゃんを捕まえてお願いを聞いてもらったみたいだ。
くそっ。羨ましい。
俺なんて…俺なんて…
一度も関わったことがないのに。
噂では、
岬ちゃんを溺愛している王子?がいるみたいで、
狙うやつは容赦しないみたいって聞くから
恐ろしくて近づきたいけど簡単には近づけない。
はぁ同じ学園内にいることは
確かなのに…っ。
あー、涙が止まらない。
俺ってば、
自分が思っている以上にヘタレかもしれない。