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「俺は、男だ!クソ野郎」

第9章 うん。はい断る





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………。




陸人先輩の出会いから何週間か経ち

今はもう、7月の上旬。




待ちに待った学園祭当日!!

開幕だー!!!女の子ー!


楽しい学園さry…








と、朝まではこんな感じに喜んでいた。











「うん。はい断る」




俺は、にっこりと笑顔で



目の前にいる金太郎に対して怒りを抑えながら

丁寧に断りを入れた。






「な、なんでー断るの!?」




「嫌なものはいーや!!絶対嫌だ!!」





ただいま悪戦苦闘中。


頑固拒否る。





「皆、この日ために頑張って来たんだよ?」




「はっ!?知るか!!何で男の俺があんなもん着なくちゃいけないんだ!」



でかい声で周りを気にせず激怒する。




教室は、カフェらしい雰囲気を出していて、



『よくできてるなぁ』なんて、

感心しているそばから急に金太郎が来て





いかにも女が着る服装らしきものを手に持って

これ着て、とお願いされた。



ふざけんなって話だ。






それは、黒の生地に

フリフリしたレースの丈の短いスカートで


おまけに、白のエプロン?みたいなのがついていた。






他にはラインがはいった黒い可愛らしいリボンと、




頭の飾りものや

黒と白の縞模様の膝上ハイソックス。


ご丁寧に黒のヒールの靴まで。









……ふざけてるだろ?








皆、何楽しそうに作ってんのかなー?

みたいなことは思っていたけど



まさか俺に着せるために

作っていたって考えるとゾッとする。




クラスで展示するやつだと思っていた。




まさか、当日にこうなるとは。






「これでギャグでも狙ってんのか!?しかも何で着るのが俺なんだよ!」




「だって、一着しかないし」




「だったらお前着ろ!!」



ビシッと指差す。


そしたら、金太郎は気持ち悪いくらいニヤける。





「何言ってるの~?あのサイズじゃ俺ははいらないよ~」




「ぶっ殺す」





殺意が芽生えても

おかしくない動機が十分に揃った。














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