「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
畜生。
しょうがねぇか。
「はい。何ですか?ご主人様」
く、
何でさっきから
男ばっかに呼ばれるんだよっ。
しかも『ご主人様』って何だよ。
と自分が言った台詞に突っ込みをいれる。
でも皆がメイドは客に対してそう呼ばないと
だめって言われたし…。
もしこのせいで売り上げ落としたら
全部俺のせいになるから怖くてちゃんと守ってる。
もう…辛すぎるだろ、これ。
「うわー!すっげぇ可愛い。ねっ君名前は?」
「え?あ、杉本ですけど…」
早く注文言えクソが。
その髪むしってやろうか。
何ニヤニヤしてんだ、
この野郎どもは。
「杉本ちゃんって言うんだ~!でも驚いたな。ここって男子校って聞いていたけど、ちゃんと女の子いるじゃん。俺騙されたわー」
…は?
女の子なんているわけねぇだろ。
コイツ、バカか?
「あ、あの…ご注文は?」
何よりもこの笑顔を絶やさない
俺って超紳士だと思う。
一応、客だから
言葉遣いには注意しているのだ。
「杉本ちゃんの連絡先が知りたいな♪今度俺たち皆でどっか遊びにでも行かない?」
そう言って、なぜか
俺の手をイヤらしく握ってきた。
「は?」
何勝手に触ってんの。
俺、注文聞いてんだけど。