「俺は、男だ!クソ野郎」
第9章 うん。はい断る
「本当だって。…な?杉本」
おいおい早川くん。
そこ、俺に振るか?
まあ、こんな女みたいな格好しているから
勘違いしてるだろうけどさ。
「はい。男ですけどなにか?」
もう俺の口調はイライラ気味だった。
自分でもわかるくらいに。
なぜいちいち俺の口から
確認しなきゃいけねぇんだよ。
腹立つ。
もう帰れ帰れ。
心の中で『シッシッ』と追い払う。
「うっそ~。超可愛いじゃん」
「そうだよ。じゃあ証拠に胸とか触らせてよ俺、君なら男でもいける。てかOK」
「お前らそれセクハラ。俺だって触ってねぇのに」
早川の言葉に、『ちぇー』とか拗ねていた。
つか、『俺だって』とか何だよ。
ツッコミ所が満載だぞ。
ま、早川は、昔から頭がおかしい奴だから
触れないでおこう。
俺は、
自分の優しい気遣いに感動した。
やっぱ、俺って素晴らしい。
などと、自分を褒めまくっていた。
「そういや、早川はどこの高校行ったんだ?」
俺がそう何気なく聞いて見たら
かなり嫌そうな顔をした。
「ふっん」
うわ、早川が超拗ねてる。
きも。
「あー、別に答えたくなかったらいいけど」
もしかして、
高校行けなかったりして(笑)
「登川」
「え?」
「だから登川高校」
ん!?
登川って、あの!?