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「俺は、男だ!クソ野郎」

第10章 …こんなの俺らしくない






『何もわからないオオカミくんは、ぱああと明るくなりました』



岬ちゃんは眩しいくらいの笑顔を見せた。





…絶対、会場にいる全員を虜にしたな。


俺も今のは完全にやられた。






《あ!あの、ぼ、ぼくオオカミくんって言います。その…ま、迷子になっちゃって、この森から出れる道知ってますか?》





ここからは自分で台詞を言うみたいだ。


初めて声を聞いたがあどけなくて透き通っていて

とにかく俺のドストライクだった。



噛みまくっているということは

緊張してるんだな。








《…おまえ、おれが怖くないのか?》




《え?別に怖くないよ?》





《…そうか。おまえみたいなやつはじめてだ。よし、おれで良ければ案内してやる》



《わぁ~っ!本当?ありがとう!!え、えっと…?》



《ライオンだ》



《ありがとうライオンくん!》





『初めて会ったのにも関わらず、心が打ち解けたライオンくんとオオカミくん。それからライオンはオオカミくんを案内させるべく手を引いて歩き出した』








あ、あれは…案内というより

誘拐だな。





そう思いながらも物語は更に進んでいき、クライマックスが近づいた。










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