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「俺は、男だ!クソ野郎」

第10章 …こんなの俺らしくない







『無事森から出ることができ、オオカミくんはやっと家族の元に帰れる』





《ライオンくん、ここまで本当ありがとう。この恩は忘れないよ》




《…さない》



《ん?ライオンくん、どうしたの?》




《いやだ!!帰さない!!》



突然、大声を出す岬ちゃんの幼なじみ。



ん?

普通は見送ってばいばいみたいで終わりだろ。


どうした。



それにまだ手を繋いだまま。







『…ちょ、大悟くん。台本通りやりなさい』

と、先生らしき人の声が小さく聞こえた。









《嫌だね。家族の元になんか、帰さない。一生この森で暮らそうな》






うわ。なんだこれ。

ライオン病みすぎだろ。
















『と、ととというわけで、ライオンくんとオオカミくんは友情の力でまた森へと戻っていきました』





そして、幕がおりた。

拍手が起こる。






一体…な、なんだ。

すごいものを見せられた気がする。




感情移入しまくりの幼稚園児って聞いたことない。




とにかく話がぶっ飛んでいて

めちゃくちゃだった。













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