「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
―――
……。
そして、お遊戯会が終った。
「お母さん!」
「岬、今日はお疲れ様」
「えへへ。ど、どうだった?」
「すっごくかっこよかったわよ!」
「ほんとー!?がんばってよかった~」
岬ちゃんはお母さんの腰に巻きつきながら甘えていた。
なにそれ、超可愛い。
俺にやって←
「岬ちゃん?こんにちは」
「?」
突然、俺の母さんがしゃがんで
岬ちゃんに挨拶した。
おいおい。
急に話しかけるから戸惑ってんじゃん。
「岬、挨拶しないとだめよ。こちら蒼野さん」
「こ、こんにちは」
ペコリと頭を下げた。
「それから、隣にいるお兄ちゃんが淳お兄ちゃんよ」
「じゅ、じゅ…じゅんおにぃちゃん?」
「う、うん。こ、こんにちは岬ちゃん」
ファーストコンタクト。
じゅんおにぃちゃんだって!!
もっと言わせたい。
「今日ね、岬のためにわざわざ遠くから来てくれたのよ」
「あ、ありがとう…ございます!」
俺は母さんと二人して
この子の可愛さに胸がときめいた。
「本当いい子ね~!私も、こんな可愛い娘が欲しかったわ」
母さんは、岬ちゃんの頭をよしよしと撫でていた。
「あ、あの蒼野さん…」
杉本さんが言いにくそうに言葉を濁らした。
「どうしたの?」
「えっと、岬は息子です」
「「えっ」」
母さんと珍しく声が揃った。