「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
そうこうしているうちにもう岬の家に着いていた。
今は玄関の前。
深呼吸してゆっくりとインターホンを押す。
数秒後、扉が開いた。
「淳ちゃん、いらっしゃい。さあ入って入って」
おばさんが出迎えてくれた。
やはり、
岬は出てこないか。
少し残念な気持ちになりがらも、
お邪魔しますと言って家にあがった。
そして和室の部屋に案内され、
飲み物とお菓子を出してくれた。
「淳ちゃん、久しぶりね~」
「はい、久しぶりです。最近仕事が忙しかったんでなかなか来れませんでした。…急にお邪魔してすみません」
「全然平気よ。そうだったの?大変ね~。それにごめんね。今、岬部屋で閉じ籠っているの」
「岬が…?」
「朝からずっと起こしに行ってるけど、なかなか起きなくて…もしかして、岬とケンカでもした?」
「そ、そんなところです…」
「あ、そうなの。あの子、頑固だからごめんなさいね」
「いえいえ、なんか俺が悪いっていうか…」
部屋に閉じ籠るとは
…そうきたか。
そこまで考えていなかった。
このまま岬に会えず、機会を逃すのはいやだ。