「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
【岬side】
深い深い夢の中。
チクっと、
首筋に痛みが走った。
「い、いてぇ…」
あまりにも痛かったので
目が覚めてしまった。
首を押さえながら、
蚊に刺されたと思って起きてみればびっくり。
「え…?」
「おはよ、岬」
ちょ…。へ?
なにこれ夢…?
今、目の前に
にっこりと微笑んでいる淳兄が見えるのは
きっと悪い夢だよな?
そうに違い。
でなければ何と言うんだ。
起きた瞬間、
淳兄の顔が視界にあった。
これほどまでに、
恐ろしい目覚めをしたことがない。